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物流倉庫の自動化・効率化をサポート – 独自のオペレーション管理システム「HAKO-FLO」の販売を本格化

2022年度から日本国内でも販売開始

月刊「LOGI-EVO」(株)サムライプレス)2022年2月号掲載

TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA, Inc.
COO 濱野 泰博
齋藤 央樹

写真1 COOの濱野氏(左)、担当の齋藤氏(右)

 東京エレクトロンデバイス(株)は、米国現地法人である TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA,INC. が開発した、物流倉庫の自動化・効率化をサポートする物流管理ソリューション「HAKO-FLO」の日本国内での展開を本格化する。昨年7月には、日本国内の顧客倉庫における省人化ならびにコスト低減を可能にする物流管理サービスとして HAKO-FLO を提供するための実証実験を実施。物流現場のオペレーション効率を大幅に高めることが確認されている。
 そこで今回は同社グループの中で HAKO-FLO の展開を主導する TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA,INC. の COO である濱野泰博氏と、「HAKO-FLO」を担当している齋藤央樹氏に登場してもらい (写真1)、HAKO-FLO 開発の経緯や内容、現状の成果、今後の計画・予定などについて話を聞いた。(LOGI-EVO 編集部)

物流倉庫のDXソリューション目指す 既存WMSを改修せずに課題解決へ

―まずは TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA,INC. の概要から伺いたいと思います。

濱野 当社はカルフォルニアのフリーモントに本社を置き、2013年に設立されました。サテライトオフィスがデトロイトにあり、テキサスのマッカレンには半導体ディストリビューション事業用の物流倉庫を保有しています。事業領域は、①半導体等の電子部品の販売事業、②ボードの設計・量産受託サービスなどを行っているプライベートブランド事業、③コンピューターネットワークに関連した調査代行、④物流倉庫向けのソリューションサービス――の 4つで構成されており、今回はこの 4つ目にフォーカスしていただいたわけです。

― HAKO-FLO を事業化された経緯についてお聞かせください。

齋藤 当社ではかねてから DX関係のソリューションをビジネスとして展開したいと考えていました。そこで、半導体事業のお客様向けに IoT や DX に関連するマーケティングを行っていたところ、取引先の物流事業者様から当時抱えていた多くの課題を示してもらいました。具体的には、人が紙に記録するようなマニュアル作業が多く存在し、それが効率化を妨げる要因であったわけです。ある物流事業者様からは、コロナ禍での物流の大混乱も重なり、在庫の把握のために倉庫中を従業員が夜通し歩いて作業をしているような厳しい現場の実情を伺うこともありました。そのようなお話を伺うにつれ、物流倉庫における DXニーズの高まりを感じ、そのためのソリューション事業を立ち上げようという方針を固めたのです。

―ありがとうございます。では早速ですが、HAKO-FLO の中身について伺っていきたいと思います。まずはその開発の経緯についてお聞かせください。

濱野 近年 EC市場が拡大し、物流量が増大するなか、物流倉庫におけるマニュアル作業を削減し、既存の WMS の改修コストをかけることなく、効果的な運用にシフトすることが求められています。物流倉庫においては、荷物の受け入れ、出庫に関わる多くの業務を、人手によるマニュアル作業により管理しているケースが多くあります。そのため、荷物の取り違えによる費用の発生だけではなく、在庫数量の正確な把握をはじめ、倉庫内空きスペースの有効活用や人員不足による配送遅延の解消、人件費の抑制など、解決しなければならない課題が多く存在するというのが現状です。当社では、こうした物流現場の課題を知るにつけ、課題解決につながるソリューションを提供したいと考え、開発に取り組みました。

単発導入が可能な5つのサービス サブスクでスモールスタートも可能に

―物流現場に寄り添った課題解決につながるソリューションを開発したいという思いから HAKO-FLO が生まれたわけですね。

濱野 はい。HAKO-FLO は、既存の WMS で発生する入荷・検品管理や在庫管理をはじめ、出荷管理、棚卸管理、インボイス作成や帳票・ラベル発行など、人手がかかるマニュアル作業を効率化する専用のソフトウェアをクラウドやオンプレミスで提供することで、お客様の物流倉庫における作業の効率化をサポートするものです。HAKO-FLO は、ハコ (外装箱) の中身の情報が端末で素早く把握できる「HAKO-FLO RFID」、ハコの大きさを自動計測する「HAKO-FLO LiDAR」、ハコの置きスペースや位置をAIで自動検出する「HAKO-FLO Eye」、ハコの状態・場所を受け入れから出荷まで追跡する「HAKO-FLO Tracking」、ハコに関するあらゆるデータをストレージ・シェアして見える化する「HAKO-FLO CLOUD」といった 5つのサービスから構成されます (図表1)。これらのサービスを既存システムと連携させることで、既存システムの改修コストをかけることなく、効果的な運用にシフトすることができます。

図表1「HAKO-FLO」のサービス内容

―物流倉庫における作業の流れに沿ってサービスがどのように連携していくのか、順を追って説明していただけますでしょうか。

齋藤 はい。入荷管理の場面では、LiDAR や RFID を利用することにより、マニュアル採寸や検品作業を効率化し、コスト削減と作業時間短縮を同時に達成することができます。在庫管理の場面では、Eye との連携により、在庫棚の空き状況を AI が作業員にタイムリーに通知しますので、スペースを有効活用することができます。出荷管理や棚卸管理の場面では、RFID と連携したピッキングリストとの自動照合により、貨物の取り違いを防止するとともに、棚卸時間の大幅な短縮につなげることができます。さらには、CLOUD や Tracking との連携により、入庫から出庫までの貨物のステータスや位置を可視化することで業務効率化に貢献します。

― HAKO-FLO の場面ごとでの連携の流れがよく分かりました。HAKO-FLO の利用は、5つのサービスを一括でお願いしなければいけないのでしょうか。

齋藤 HAKO-FLO はサービスの一部だけでも利用することができ、お客様の倉庫作業に合わせた最適な形に組み合わせることが可能です。例えば、検品や資産管理作業、棚卸作業に多くの時間を費やし、正確な在庫管理ができずにいたり、所在不明の貨物を探し出すのに時間を浪費していたりするなどの課題を抱えているお客様には、RFID を採用していただければ、課題解決が図れます。また、貨物サイズを作業員がメジャーで計測するため、手間と時間がかかっていたり、梱包時に最適な大きさの箱を見つけるのに時間がかかっていたりするなどの課題を抱えているお客様には、LiDAR を利用していただくことで課題が解決できます。倉庫の空きスペースのリアルタイム検知についても Eye を採用していただくことで課題解決が図れます。

―なるほど。5つのサービスを組み合わせて採用することで、個別の課題を適切に解決に導くことができるわけですね。魅力的な HAKO-FLO ですが、顧客の支持が高まっている理由を端的に伺えますでしょうか。

濱野 HAKO-FLO がお客様に選ばれている理由としては、①HAKO-FLO が入庫から出庫まで総合的なソリューションであること、②コンサルティングに基づきセミカスタマイズ開発が行えること、③サブスクリプションサービスの導入により初期費用を抑えながらお客様に最適な倉庫管理システムが提供できること――の 3点が挙げられます。

―サブスクリプション料金に含まれる中身について具体的に教えてください。

齋藤 HAKO-FLO RFID については、RFIDリーダー端末と端末ソフトウェア使用ライセンス、サポートなど全てをまとめて提供いたします。お客様のご要望により、RFIDプリンタや RFIDタグの販売も承っています。

―サブスクリプションサービスなので、フレキシブルな契約ができる点も魅力ですね。

齋藤 ありがとうございます。日本国内でサブスクリプションサービスに抵抗を感じるお客様につきましては、ご要望に合わせて端末を販売することもできます。ただ、サブスクリプションサービスは、初期投資を抑えた利用が可能ですので、特にスモールスタートを希望されるお客様には最適なサービス提供の形であり、実際にそうしたお客様から高い評価を頂戴しています。

―物流は時期や景気によって需要変動がありますから、サブスクリプションサービスであれば、設備について常に過不足のない状態が保てます。

齋藤 はい。サブスクリプションサービスであれば、繁忙期と閑散期の変化にも適切に対応することができます。

所有から利用への流れが広がる 米国で受注多い棚卸管理対策

―物流現場を支える設備についても所有から利用への流れがさらに広がっていくように感じます。ちなみに端末のメーカーは指定となるのでしょうか。

齋藤 HAKO-FLO RFID では、米国ゼブラ・テクノロジーズ社の端末を提供させていただいています (写真2)。本サービスでは、特に棚卸管理の効率化を受注するケースが多いのですが、米国の物流倉庫は高さの高い棚が多く、また面積も広大ですので、RFIDリーダーにはより遠距離で電波を読み取ることができる性能が求められます。RFIDリーダーには、円偏波型と直線偏波型があり、読取距離については直線偏波型リーダーに優位性があります。直線偏波型リーダーを提供するメーカーの中で、ゼブラ・テクノロジーズ社がワールドワイドで提供できるということで、選択させていただきました。ソフトウェアについても、当社がこの端末に合わせてアンドロイド仕様で開発しています。

写真2 RFIDリーダー機能を搭載したハンディターミナル

―米国では棚卸管理向けソリューションの受注が多いとのことですが、日本でも棚卸管理ソリューションの受注が多くなるという見込みでしょうか。

齋藤 国に関係なく棚卸管理の効率化ニーズは高まっていると見ています。現状、多くの企業の棚卸作業は商品に付されたバーコードを 1点ずつ読み取っていく作業になっており、そこに多くの作業者を投入する人海戦術がメインになっていると思いますが、HAKO-FLO RFID を導入していただければ、在庫商品にリーダーをかざすだけで作業が完了しますので、そのメリットがよくおわかりになると思います。

―棚卸作業は直接利益を生み出す仕事ではないですから、他の業務作業に比べてもより効率的に済ませたいと考えるのは当然のことですね。

齋藤 はい。また、棚卸作業での在庫管理データと実在庫に差異が生じているケースも少なくありません。バーコードによる棚卸作業は毎日行える作業ではないため、何らかの管理ミスで実在庫との差異が生じる可能性が出てくるわけですが、RFID であれば、日ごろの点検作業に合わせて棚卸作業が行えます。棚卸作業が増えれば、それだけ差異が生じる可能性は少なくなります。この課題解決だけでも導入メリットを感じられるお客様は多いと見ています。

―その導入メリットは当然のことながら倉庫会社に止まりません。メーカー、卸売業、小売業とサプライチェーン全体にも広がりますし、商品分野も全般に渡ります。

齋藤 はい。RFID の導入メリットは幅広い業種業態に及びます。日本国内では、アパレル分野の大手製造小売企業がRFIDを導入されて業務効率化の成果をあげられていることは有名です。同社では工場での生産管理に始まり、在庫、物流、店舗での会計に至るまで RFID を利用されていますので、最大限に効果を発揮していると言えます。製造業でもその利用のすそ野を広げていくとより効果を膨らませることができますので、当社としても特定の業種業態に偏ることなく、サプライチェーン全体にこのサービスを普及させていきたいと考えています。

― RFID と CLOUD との組み合わせによるソリューションについてはいかがでしょうか。

齋藤 HAKO-FLO RFID と HAKO-FLO CLOUD を組み合わせれば、検品作業や棚卸作業の効率化だけでなく、トレーサビリティ強化も実現することができます。RFIDタグの実装データは作業工程ごとに読み取られ、クラウド上に記録されていきます。商品に何か問題が発生した場合には、そのデータに基づいて追跡調査することができますから、問題発生要因の分析につなげることが可能となります。

―トレーサビリティ強化というメリットについては、貴社の主たる事業分野でもある半導体や電子部品はもちろんのこと、飲食品や医薬品など品質管理や安心・安全管理といった面を重視する分野でも関心が高まりそうに思われます。

濱野 そうですね。このソリューションの導入効果は幅広い業種業態で期待されています。当社ではお付き合いの多い製造業はもちろんのこと、その他の業種のお客様へもリサーチして、コンサルティングや実証実験を通して対象となる貨物に応じたタグの選定やお客様のシステム運用のご提案を続けたいと考えています。

― RFIDタグの価格はだいぶ下がってきていると思いますが、それでもまだコスト面で見ると、その導入は対象となる商品の価格にもかかわってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

齋藤 タグのコストと対象商品の価格についてはその通りの部分もありますが、結局のところ、検品や棚卸などの作業にどれだけ人手と時間をかけているかです。一般的なバーコードシステムによる人海戦術作業を行っているのであれば、RFID導入によって作業効率の向上と収益改善が図れることは明らかです。物流現場の人手不足が深刻化している状況で、この先も従来のような人海戦術を維持できると考えることには無理があります。人手不足という非常に深刻な課題に対し、シンプルに解決が図れる HAKO-FLO RFID は検討していただくのに十分な価値があると確信しています。

入荷から保管、出荷までを効率化 サプライチェーン全体にも効果及ぶ

―では、HAKO-FLO RFID 導入による具体的な作業の流れと、見込まれる定量的な効果について伺えますでしょうか。

齋藤 では、製造業向けソリューションについて作業順に説明します。工場での材料入庫 ⇒ 材料保管 ⇒ 製造 ⇒ 梱包/出荷検品 (物流倉庫向け) との流れを経て、物流倉庫では受入検品 ⇒ 保管 ⇒ 出荷検品が行われるわけですが、RFID の利用は、工場で製品が完成し、梱包されるところからになります。RFID を活用するためには、対象製品に RFIDタグを貼付する必要があり、RFIDタグへのデータ書き込みと印字は専用の RFIDプリンタにより実施します。既存の 2次元コードやバーコードを利用する場合、これらコードをスキャナーで読み取ると、専用ソフトでデータを RFIDデータに変換すると同時に印字内容が生成されます。
そして、プリンタからはその内容が印字された RFIDタグ (ラベル) が発行されますので、製品梱包にこのタグを貼り付けるという仕組みです。RFIDタグの発行は短時間で実行されるため、RFID導入による工程への影響も最小限に抑えることができます (写真3)。物流倉庫への出荷検品では、RFID により複数タグの一括読み取りが可能ですので、以前のようにバーコードを一つずつスキャニングする作業に比べて大幅に効率化することができます。実際に当社での検証では、RFIDタグを貼付した製品 171個をコンテナに収納した状態でスキャニングしたところ、約10秒で読み取りを完了することができました。バーコードでの検品作業では作業完了までに 13分ほどかかりましたので、特定条件下での値ではありますが、スピード面で 78倍、人件費削面では 99% の効果が得らえると考えています。スキャニング中には読み取った RFID の数、すなわち検品した製品数がリアルタイムでリーダーのモニタに表示されるため、出荷数量の精度も高められます (写真4)。なお、読み取ったデータは CSVファイル等で基幹システムにエクスポートすることができます。

写真3 RFIDタグはプリンタにより短時間で発行される
写真4 読み取ったRFIDの数がリーダーのモニタにリアルタイムで表示される

―凄い効果ですね。バーコードから RFID への切り替えが進んでいる状況も頷けます。

齋藤 物流倉庫では、入荷検品、保管/棚卸、出荷検品のいずれの工程でも RFID導入効果が見込めます。作業としては、工場で添付された RFIDタグを各工程で専用リーダーによりスキャニングするだけの簡単な作業により、検品作業効率と精度の向上、保管効率の向上、棚卸作業の頻度増加によるデータと実在庫の差異低減、出荷前のデータ照合によるピッキングミスの防止などの効果が得られることになるわけです。また、出荷先の卸売業、あるいは小売業においても HAKO-FLO RFID を導入していただいていれば、受入検品の効率化のほか、納品エビデンスの確保やトレーサビリティ強化が図れます。さらに HAKO-FLO CLOUD を組み合わせれば、リアルタイムでのトレーサビリティ確保も可能となり、サプライチェーン全体での DX実現にもつながります。

―川下の取引先が専用ソフトウェアを搭載した RFIDリーダーを導入すれば、サプライチェーン全体での効率化で競争力強化と付加価値向上も見込めるわけですね。

齋藤 はい。HAKO-FLO RFID と HAKO-FLO CLOUD を組み合わせたソリューションは資産管理についても有効です。近年は取引先との物流にオリコンや通い箱を使用するケースが増えていますが、その返却率の低さに悩まれている企業も少なくないようです。中には 7割くらい戻ってくればよしとされているという声も聞かれます。
HAKO-FLO RFID と HAKO-FLO CLOUD を組み合わせたソリューションを導入すれば、通い箱のリアルタイムでの位置、個数を画面のマップ上で確認し、管理することが可能となるため、取引先に対し、適時適切に返却を求めることができます (図表2)。

図表2 「HAKO-FLO CLOUD」資産管理ソリューション表示画面

―なるほど、RFIDの特性を生かしたソリューションの多様性が理解できます。では、HAKO-FLO RFID 導入までの流れについて教えてください。

齋藤 HAKO-FLO RFID は、お問い合わせから最短3か月で導入が可能です。昨今の半導体不足により、ハードウェアのリードタイムに引きずられる部分が出てきていますが、当社では主要地域にハードウェアを在庫しており、お問い合わせいただいたお客様にできるだけ早く導入していただけるようにサポートを行っています。具体的な手順としては、①ヒアリング ( RFIDの導入可否判断、金額、スケジュール提示な
ど)、②現地テスト (タグ読み取り、システムテストなど)、③ご契約 (契約書締結)、④導入前準備 (導入設定サポート、現場設定〔タグ設置〕、使用方法のレクチャーなど) ――といった内容で順を追って進めさせていただきます (図表3)。

図表3 「HAKO-FLO」導入までの流れ

昨年7月には実証実験も実施 読取率を上げるノウハウも蓄積

―昨年 7月には、製造業の貴社のお客様サイトで RFID導入の実証実験も行われたと伺っていますが、その内容についてお聞かせください。

齋藤 実証実験は、急増する需要に対応するため、工場での出荷検品作業、ならびに当該製造業様のお取引先での入荷検品作業を効率化したいとのご要望から RFID をテスト的に導入したものです。導入に際してはタグの読み取りに関し、様々な課題と向き合いました。小型部品ならではの、タグの重なり合いにより読み取りが出来ないケースや、読み取りが難しい金属部品に対してのアプローチです。実証実験では、お客様にもご協力を頂きながら、タグの選定や、システム側の工夫を行い、読み取り性能を 100%に近づけることができました。
このような活動を通し、日々ノウハウを蓄積していっております。

―日本国内で本サービスを提供する体制は現状どうなっていますか。

齋藤 HAKO-FLO は、米国で当社が主管となってビジネス開発を行っていますが、昨年の国際物流総合展で日本国内初となるお披露目をさせていただいた際、大変に高い評価をいただきました。以来、2022年度から日本国内でも販売展開できるように準備を進めています。

―HAKO-FLO 事業における今後の目標やご計画についてお聞かせください。

濱野 5年間のうちに本事業でのグローバルでの売上高を 3億円にまでもっていきたいと考えています。当面、まずは米国での案件にしっかり対応する一方、日本国内でも国際物流総合展で多数のお客様から引き合いをいただいていますので、そのフォローならびにサポートに努める方針です。サービス面では、HAKO-FLO LiDAR の AR (Augmented Reality) 採寸アプリを応用し、一つの画面で貨物梱包の損傷レポートが作成できるソリューションの開発も進めていく予定です。また、倉庫での工程管理に使われる現品票をペーパーレス化する HAKO-FLO TAG という新しいサービスも今後展開を予定しております。従来の現品票を使用した運用では、手入力による手間や、紙の保管、また、環境負荷が大きいことなど、倉庫での作業効率化ならびに、SDGs に向けた環境配慮に対応したソリューションとして 2022年6月にお客様サイトで実証実験を行うことも計画しております。

―日本国内でも短期間で受注が増えそうな勢いですね。今後の貴社の HAKO-FLO 事業が順調に進展し、サプライチェーン全体の作業効率が向上していくことを期待しています。本日は大変にありがとうございました。