— Newsletter Archive: Newsletter Vol. 8, 2024/3/13 —
物流管理ソリューション「HAKO-FLO(ハコフロ)」を活用し、入出庫時の計測、検品などの『入出荷管理』、『在庫管理』、『棚卸し管理』、貨物の損傷レポート作成といった『書類作成』など、人手のかかるマニュアル作業を効率化する事例をシリーズでご紹介します。

前回のニュースレターでは、RFIDタグの規格やタイプなど、RFIDタグの基本的な技術についてご紹介しました。
今回は RFIDタグを利用するために必要な RFIDリーダーや RFIDタグ プリンターなど、関連する周辺機についてご紹介します。
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(1) RFID リーダーの特徴
RFIDタグから無線情報の読み取り処理を行う RFIDリーダーは、電波を送受信するアンテナ構造を持っています。RFIDタグの信号を読み取る上で特定の偏波パターンを持っており、これがタグの読み取り性能に大きく影響します。
RFIDリーダーの偏波には主に次の2つの種類があります:
【線形偏波】
- 線形偏波アンテナは、RFID信号を単一の平面(水平または垂直)で送信します。線形偏波アンテナはリーダーの電力を単一の平面に出力するため、読み取り距離が長くなる傾向があります。
- 偏波方向 (角度) が合えば通信距離は最長となりますが、角度がずれると徐々に通信距離も短くなり、90度が最も読取り難くなります。

【円形偏波】
- 円形偏波アンテナは、RFID信号を時計回り (右手偏波) または反時計回り (左手偏波) の円形モーションで送信します。円形偏波アンテナはタグの向きに関係なくRFIDタグを読み取ることができます。
偏波の種類は、RFIDタグの読み取り性能に大きな影響を与えます。どちらの偏波の場合でも、基本的に RFIDタグとアンテナ面が平行の時に最も読取り精度が高くなります。
線形偏波アンテナは、タグが特定の向きで配置されている場合に最適な読み取り性能を提供しますが、タグの向きが変わると読み取り性能が大幅に低下する可能性があります。一方、円形偏波アンテナは、タグの向きに関係なく一貫した読み取り性能を提供しますが、読み取り距離は線形偏波アンテナよりも短くなる傾向があります。
(2) RFID タグ プリンター
RFIDタグを活用するには、RFIDタグに様々な情報を書込み、必要に応じて書き込まれた情報を読み取ります。RFIDタグに情報を書き込むには RFIDプリンターを活用します。
RFIDタグには、人が見て分かるように RFIDラベルの表面に情報を印字すると同時に、内蔵されている ICチップにデジタル情報を書込み (エンコードし) ます。よって、RFIDプリンターと通常のプリンターの主な違いは、RFIDプリンターが RFIDタグに情報を書き込む能力を持っていることです。これに対して、通常のプリンターは紙やラベルに情報を印字するだけで、デジタル情報の読み取りや書き込みはできません。
また、RFIDプリンターは用途や印刷対象の RFIDタグによっていくつかの種類に分類することができます。
- 据置型 RFIDプリンター: 通常のプリンターと同様に扱える据置型の RFIDプリンター
- 金属対応タグ用 RFIDプリンター: 金属対応タグなど特殊な RFIDタグにデータを書き込む RFIDプリンター
- モバイル RFIDプリンター: 持運びが可能な小型 RFIDプリンター
弊社では金属タグにも対応している Zebra社の ZT411 を活用しています。

RFIDタグに情報を書き込むには、情報を書き込む RFIDプリンターと共に情報を書き込むためのプリンター ソフトウェアが必要です。様々な用途に活用される RFIDタグは、そのサイズや厚さも多種多様なのに加え、人が読める情報を印字するためのラベルのデザインも可能である必要があります。弊社では広く世界中で販売され、多くのプリンターをサポートしている BarTender を活用しています。
パソコンに BarTender をインストールし、通常のプリンターをセットアップする要領でパソコンと RFIDプリンターをセットアップします。
プリンター ソフトウェアのセットアップが完了しましたら、利用する RFIDタグの表面に印刷する情報やレイアウトをデザインし、続いて使用する RFIDタグに書き込むデジタル情報の設定を行います。
RFIDタグに印字・書き込む準備ができましたら、実際に RFIDタグをプリンターにセットして印刷テストを行います。RFIDタグの種類ごとにセンサー位置の調整や信号レベルのキャリブレーションを行ったりと、RFIDプリンターならではの工程が必要になります。
RFIDタグへの印刷では、内部チップへのデジタル情報の書き込みの他、表面に印字が必要になることもあります。RFIDタグの種類によっては、インク不要で印字ができる感熱タイプもありますが、通常 RFID印刷では熱転写タイプが使用され、インクリボンが必要になります。
(3) その他 RFID関連ツールと周辺機器
RFIDタグを利用する場合には、(1) 情報を記録する RFIDタグ、(2) RFIDタグに情報を書込・印字するプリンターないしライター、そして (3) RFIDタグの情報を読み取るリーダーが基本構成となります。
HAKO-FLO ではハンディ型の RFIDリーダーを活用して RFIDタグの情報を読み取るサービスをご提供していますが、市場では現場の用途に応じて据え置き型や卓上型、アーチ型の RFIDリーダーも活用されています。
RFIDリーダーや RFIDプリンターなどの RFID製品は、電波を発する機器であるため、その電波出力によって無線局の免許や登録が必要になります。電波法に関連するため、電波利用料金など国毎に規制が異なりますので、RFID技術の導入時に事前に手続きを完了しておく必要があります。
もし倉庫管理システム (WMS: Warehouse Management System) など、商品や貨物を管理するためのシステムが導入されている場合には、上記 RFID関連機器と WMSなどの管理システムと連携させるための仕組みも必要になります。WMSなどの管理システムも数十年前から稼働しているシステムだったり、昨今ではクラウド ベースのシステムであったりと多種多様ですので、RFIDの仕組みをそれらの管理システムと連携させるにはカスタム対応したり、あるいは自社用のミドルウェアを開発する必要があります。
(4) RFID技術の展望
1970年代に米国で開発が進んだ RFID技術は、長い歴史と共に最近では ICカードや電子マネーといった身近な分野から、製造・流通・小売り・医療など様々な分野での利用が進んできており、昨今のトレーサビリティやサステナビリティの関心の高まりがさらに幅広い分野での導入を後押ししています。
今後の RFID技術導入の動向を考えた場合、倉庫内を可視化することで作業者を支援し、より効率的な業務遂行を実現するために、維持負担が少ないパッシブ型 RFIDタグの普及と、RFID技術の他のセンサーテクノロジーとの融合が進むと思われます。
RFID技術の観点では、必要な時にピンポイントで RFIDタグ情報を読み取るだけでなく、対象物が移動する流れの中で複数のポイントで自動的に RFIDタグ情報を読み取る固定式リーダーを導入することで、情報の精度を高め正確な情報を維持することが期待できます。
さらに倉庫環境はその広さや高さ、明るさ、温度差など、ある種特殊な環境となっている場合が多く、倉庫内の商品や貨物の管理を行う場合、RFID技術と他のセンサーテクノロジーを組み合わせることで、よりタイムリーで正確な情報を得ることが可能です。例えば最近の倉庫では Wi-Fiや 5G といった無線通信インフラの導入が進んでおり、それらの電波や Bluetooth などの無線技術を利用したロケーション情報との融合や、温度・湿度センサー、重量センサーなどと組む合わせることで、より付加価値の高い情報として商品や貨物を管理することが期待できます。
また様々な分野において RFID技術の利用が広がることで、貨物や商品に貼付けられた一つの RFIDタグを異なる分野で活用し、RFIDタグの運用コストを押さえつつサステイナブルな運用の試みも進むと思われます。例えば商品の製造工場や貨物の発送時に RFIDタブを発行・貼付け、その RFIDタグの情報を倉庫や物流拠点で活用、さらに商品の販売時や貨物の届け先においてもこの RFIDタグの情報を活用することで、一貫した商品や貨物の管理が可能になるだけでなく、トレーサビリティ情報としての活用も期待できます。
弊社では RFIDやその他の業務効率効果の高い技術を活用し、「HAKO-FLO (ハコフロ)」として導入しやすいサービスをご提供させていただいています。またこれらの技術を現場で活用するためのコンサルティングもご提供させていただきます。
物流管理においてお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。
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